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「5文型」を学びましょう
・5文型って学ぶといいことあるの?
英語の文には大きく分けて、5つの形があります。それはふつう5文型と呼ばれていて、受験勉強では、この学習はたいへん重要だと言われています。
たとえば、東大に合格した友達の一人は、英語は自分のなんとなくの感覚で解いていたらしいのですが、大学に入って家庭教師をやるようになり、そこで5文型を生徒に教えなくてはいけなくなりました。その友達は、そのとき初めてしっかりと5文型について勉強し、無事生徒に教えることもできたそうなのですが、「5文型をやってから英語がとてもすっきりわかるようになったよ」と言っていました。
文法、というと、なんか難しそうだしいやだな、と思ってほうっておき、なんとなくセンスとか自分の趣味で問題を解いてしまっている受験生は意外とたくさんいます。しかしそれは、ほんとうはよくないことです。
センスとかで問題を解いてしまうと、たまたまうまくいくときもあるでしょうけど、うまくいかないときもある、というような、波が出てしまうと思うのです。でも、受験の本番は、1年に1回じゃないですか。もし失敗したら、1年間待たなくてはいけませんからね。それをなんとなくのセンスで解いたんでは、危険ではないですか?
ちゃんと5文型を理解して、文法をわかって解いている人は、どんな問題が出ても、自分で「これがこうなって、これがこうなるから、こうだ!」とか考える力があるわけです。だから、どんな問題が出ても、いつも安定した点数を取れると思うのです。自分のテイストで解いている人は、自分の感覚にあっている問題が出ればうまくいくかもしれませんが、感覚にあわない問題が出たら、それこそ壊滅して終わってしまいます。
さて、脱線してしまいましたので話を元に戻しますと、英語には5つの文の形がある、ということでした。それらを理解しておくことが、英語でしっかり点が取れるようになるためには重要である、ということを覚えておいてください。
・5文型ってどんなの?(おおざっぱに見てみよう)
英語の文は、すべて、この5つの文型に分類することができる、ということなんですけど、これってけっこうラッキーじゃないですか?たった5つ覚えるだけで、英語のいちばんの基本的なつくりは理解できる、と思えば。もちろん、その後いろいろと単語も覚えないといけないんですけどね。
ではその5つの文型を表にしてみます。
第1文型 |
主語+動詞 |
第2文型 |
主語+動詞+補語 |
第3文型 |
主語+動詞+目的語 |
第4文型 |
主語+動詞+目的語+目的語 |
第5文型 |
主語+動詞+目的語+補語 |
よくわからない用語がたくさんでてきた、という気がするかもしれませんが、実は、この5つの文型はすべて、中学3年生までの時点で、すでに一度は見たことがあるはずなんですよ。
これからくわしく見ていきましょう。
第1文型(主語+動詞)
英語の「文」というものには、必ず主語と動詞があります。必ずです。その主語と動詞の2つだけはとりあえず入ってる文が第1文型と呼ばれます。
たとえば
I walk. (私は歩く) [主語=I, 動詞=walk]
とか、
He runs. (彼は走る) [主語=He, 動詞=runs]
とかの、たいへんシンプルな文は第1文型です。
第2文型(主語+動詞+補語)
ここでは、「補語」というよくわからないものがでてきてしまいます。言葉で説明すると、補語とは、主語がどんな性質を持っているのかを補って説明する語、のことなのです。
わかりにくいでしょうから、例を見ましょう。
I am a student. (私は学生です)
この文は、実は第2文型です。主語=I, 動詞=am, 補語=a studentです。「私」っていう人間が、どんな性質を持った人なのか説明するのが「補語」の役割です。ここでは、「私」は学生なんだよ、と説明しているわけですね。
他の例としては、
He became a doctor. (彼は医者になった)
という文も第2文型だったりします。主語=He, 動詞=became, 補語=a doctorです。「彼」っていう人間が、「医者」っていう性質をもっている、と説明しているわけです。
第3文型(主語+動詞+目的語)
こんどは、「目的語」というものが新しく出てきました。「目的語」というのもいちおう言葉で説明しますと、「ある動作が働きかける対象を示す言葉」だったりします。こういうふうに説明すると難しく感じるかもしれませんが、みなさん実は第3文型の文は今までたくさん見たことがあるのです。
たとえば、
I have a pen. (私はペンを持っている)
は、第3文型です。主語=I, 動詞=have, 目的語=a penです。have(もっている)という動作は、いったい何に向けられているの?、つまり、何を持っているの?、と聞かれたら、とうぜん「ペン」を持ってるんですよね。その「ペン」が目的語なわけです。
他にも、
I drink water. (私は水を飲む)
という文も第3文型です。主語=I, 動詞=drink, 目的語=waterです。drink(飲む)という動作は、いったい何を対象としているの?、つまり、何を飲むの?、と聞かれれば、もちろん「水」を飲むわけですよね。その「水」が目的語、と呼ばれます。
第4文型(主語+動詞+目的語+目的語)
ここでは、目的語が2つになってしまいます。これはどういうことかといいますと、まず、目的語っていうのは、動作が向けられている対象を表す言葉でしたよね?そのとき、drink(飲む)とかだったら、水を飲む、とか、コーヒーを飲む、というように、動作の対象はとうぜん飲み物になりますよね。
しかし、give(あげる、与える)という動詞はどうでしょうか?あげる、ためには、まず、「あげる相手」が必要ですよね?そして、「あげる物」も必要ですね?
つまり、あげる、という動作の対象には、「あげる相手」と「あげる物」の2つが必要だったりするんですよ。なので、give(あげる)みたいな動詞の場合には、目的語が2つになってしまったりします。それが第4文型、というやつです。
例を見てみましょう。
I give him a present. (私は彼にプレゼントをあげる)
ここでは、主語=I, 動詞=give, 目的語=him, 目的語=a present となります。
そして、ひとつこれは決まりなのですが、目的語が2コありますけど、この2つは、書く順番が決まっています。あげるとかの動作の「相手」を表す言葉(ここではhimです)を先に書き、動作して実際にあげたりする「物」の方を後に書くのがルールです。
じゃあ、他の例として、show(見せる)だったら、どうなるでしょうか。たとえば、私は彼に写真を見せる、と言いたい時とか、どうしましょう?
そのときは、主語=I, 動詞=showをまず書くことになりますよね。その後、目的語をならべます。ちゃんとルールどおりにやりましょう。まず見せる相手(彼)を先に英語にして、そのあと、見せる物(写真)を英語にすることになります。
ですから、こうなります。
I show him a picture. (私は彼に写真を見せる)
「写真」の意味のpictureに、aをつけるのを忘れないでくださいね。
第5文型(主語+動詞+目的語+補語)
最後に登場するのが、この第5文型です。主語、動詞、目的語、補語、と、もう全部出てきちゃいましたね。やっぱり最後ですから、全部出てくるわけです。
ひとつ、ちょっと説明しておかなくてはならないことがあります。「補語」という言葉は、第2文型のところで初めて出てきました。そのときは、「補語」とは、「主語」の性質を補って説明する言葉、だと説明しました。
しかし、この第5文型では、補語とは、目的語の性質を補って説明する言葉、だったりします。ややこしくてすみませんが、ここだけ気をつけてください。
では例文を見ましょう。
I call him Tom. (私は彼をトムと呼ぶ)
これが第5文型の文です。主語=I, 動詞=call, 目的語=him, 補語=Tomです。Tomは補語なんですよ、わかりにくいかもしれませんが。なぜなら、Tomというのは、「彼(him)」の名前ですよね。このTomという言葉は、「彼(him)」がどういう人なのかを説明しているような気がしませんか?彼ってトムっていう名前なんだよ、というように、「彼」についてコメントしているわけですから。
こういうふうに、目的語(himですね)について、補って説明を加えている単語(Tomのことです)が、第5文型では補語と呼ばれるわけです。
さあ、これでひととおり、かんたんに5文型を学習しました。ここから先は、今覚えたことを忘れないようにし、さらに理解を深めるための学習になります。
・主語、動詞、目的語、補語についてのルール
実は、今までなにげなく書いてきた、主語、動詞、目的語、補語なのですが、以下のようなルールがあったりします。
「主語」と「目的語」の部分には、名詞が使われます。
「動詞」の部分には、もちろん動詞が使われます。
「補語」の部分には、名詞か形容詞が使われます。
たとえば、I have a pen.(私はペンを持っている)という文が、さきほど第3文型で出てきました。主語=I, 動詞=have, 目的語=a penでしたよね。その文では、主語のIも、目的語のa pen も、両方とも名詞ですよね。主語と目的語には名詞が使われる、と決まっているからです。
動詞のところに動詞が使われる、というのは当たり前すぎるので何も言うことはないです。
ややこしいのは補語なのですが、さきほど第2文型のところで出てきた文は、
I am a student.(私は学生です)
でした。主語=I, 動詞=am, 補語=a studentでしたね。この文では、補語であるa studentは名詞です。だから、補語には名詞が使われるんだな、とわかるでしょう。
しかし、補語には名詞以外に、形容詞もきたりします。たとえば、
I am young.(私は若い)
という文では、主語=I, 動詞=am, 補語=youngになります。第2文型では、補語というのは、主語の性質を補って説明する言葉でしたよね?「若い(young)」だって、主語の「私(I)」の性質を説明している語ですから、補語と呼ばれます。でもyoungって、名詞ですかね?ちがいますよね。youngは形容詞です。つまり、補語には形容詞も使われたりするのです。
・文型を区別しよう
ここでは、まちがえがちな文型を区別できるようになる練習をしましょう。第2文型と第3文型、第4文型と第5文型、それらが多少区別しにくいんじゃないかと思います。
なぜなら、第2文型と第3文型は、両方とも文の要素が3つじゃないですか。主語・動詞・補語、と、主語・動詞・目的語、というように。第4文型と第5文型も、両方とも文の要素が4つです。それぞれ、主語・動詞・目的語・目的語、主語・動詞・目的語・補語ですよね。
第2文型と第3文型の区別
第2文型では補語が出てきますよね。第2文型の補語は、主語の性質を補って説明する言葉ですから、「主語=補語」っていう感じがするんですよ。
例文として出てきた、I am a student. では、「私」=「学生」(I = a
student)っていう感じがしますよね。
しかし、第3文型で出てくる目的語っていうのは、べつに主語の性質を説明する言葉じゃないので、主語とはちがう別のものっていう感じがするんです。
I have a pen. っていう文でも、「私」と「ペン」って、まったく別のものっていう気がしますよね。
第4文型と第5文型
第4文型は、主語+動詞の後に、目的語が2つ並びますよね。第5文型は、主語+動詞の後に目的語と補語が来ます。
第5文型で出てくる補語というのは、目的語の性質を補って説明する言葉、でしたよね。なので、第5文型では、「目的語=補語」っていう感じがしたりするんです。
I call him Tom. (私は彼をトムと呼ぶ)
という例文がありましたよね。そこでは、「彼」=「トム」なわけです。
でも第4文型では、I give him a present. (私は彼にプレゼントをあげる)
という文がありましたけど、目的語である「彼」と「プレゼント」って、ぜんぜん別のものですよね。
・前置詞って?
最後に、前置詞についてちょっと学んでおく必要があります。前置詞って、「前に置く詞」っていう意味っぽいじゃないですか?でも、前に置く、と言ったところで、いったい何の前に置くのか、わからないですよね。
それを教えます。前置詞というのは、実は、「名詞」の前に置く言葉、のことなのです。これはもうとっても重要ですから、一生忘れてはいけません。
で、それだけ覚えても、前置詞がどんなものなのかいまいちわかりませんよね。日本語には、前置詞と呼ばれるものはないんですよ。だから、感じがつかみにくいかもしれません。でも、似たようなものは日本語にもあるんです。それは、助詞ってやつなんですよ。
助詞って知ってますか?「学校へ行く」の「へ」、「ナイフで切る」の「で」とかです。それぞれ、英語だと、go to school, cut with a knifeとなるのですが、そのtoやwithは、英語では前置詞と呼ばれるんです。
前置詞は名詞の前に置かれる言葉、だといいましたよね。go to schoolでも、cut with a knifeでも、school やa knifeは名詞ですよね。だから、ちゃんと名詞の前に置かれてるのがわかると思います。
これだけじゃあ不安なので、どういう単語が前置詞と呼ばれているのか、あらかじめ知っておくとよいですよ。そんなにめちゃくちゃ数があるわけじゃないですからね。
今回はおおざっぱに見てもらうだけにして、くわしくやるのはまた別の機会にしましょう。
・前置詞いろいろ
場所系の前置詞
at |
I met him at the party. (私はパーティーで彼に会いました) |
in |
We played baseball in the park. (私たちは公園で野球をしました) |
on |
There is a pen on the table. (そのテーブルの上にペンがあります) |
to |
I went to |
from |
He comes from |
under |
He was standing under the tree. (彼はその木の下に立っていました) |
over |
There is a bridge over the river. (その川の上には橋がかかっています) |
near |
He lives near the station. (彼は駅の近くに住んでいます) |
by |
He stood by the table. (彼はそのテーブルのわきに立った) |
across |
We walked across the street. (私たちは歩いてその通りを横切った) |
along |
There are a lot of shops along the street. (その通りに沿って、たくさんの店があります) |
between |
My school is between the post office and the restaurant. (私の学校は、郵便局とレストランの間にあります) |
時間系の前置詞
at |
I get up at seven every morning. (私は毎朝7時におきる) |
in |
It is very hot in August. (8月はとても暑い) |
on |
I don’t go to school on Sundays. (私は日曜には学校に行きません) |
after |
Don’t call me after 10 o’clock. (10時以降は私に電話をしないでね) |
before |
Come back before dark. (暗くなる前に帰ってきなさい) |
by |
I have to finish this work by 5. (私は5時までにこの仕事を終えなくてはならない) |
for |
He studied English for five hours yesterday. (彼は昨日英語を5時間勉強した) |
during |
Everyone was very poor during the war. (戦争中は、みんなとても貧しかった) |
その他いろいろな前置詞
with |
@ I went to the party with my sister. (私は姉[妹]と一緒にそのパーティーに行った) A We cut paper with a knife. (私たちはナイフで紙を切る) |
of |
I like the color of the building. (私はそのビルの色が好きだ) |
by |
He goes to the station by bus. (彼はバスで駅へ行く) |
この前置詞の表は、いま一気に覚えようとかしなくていいし、おおざっぱにながめておいてくれればいいです。
5文型の勉強をしていたのに、なぜ前置詞について学んだのかといいますと、実は、「前置詞と、その後ろに来る名詞」の部分は、絶対に主語にも目的語にも補語にもならない、ということを知っておいてほしかったからです。
主語と目的語の部分には、名詞が使われるのでした。補語の部分には、名詞か形容詞でしたね。
じゃあ前置詞はどうなるのでしょうか?主語・動詞・目的語・補語のどれかになるのでしょうか?
あと、前置詞は、名詞の前に置かれた言葉、という意味ですから、つまり、前置詞の後ろには必ず名詞があるわけですよね。その名詞は、どうあつかったらいいのでしょうか?
答えはかんたんです。どうもしなくていいのです。文型について考えるときには、「前置詞+名詞」というセットはすべて無視!が鉄則です。
たとえば、I go to school. という文がありますね。これって第何文型でしょうか?
主語がI, 動詞がgo, で、to schoolは何だ???答えは、なんでもないのです。toが前置詞、schoolは名詞です。「前置詞+名詞」という言葉のかたまりは無視です。なので、この文は第1文型、と答えればいいのです。
・文型の判断のしかたをまとめよう!
英語の文が第何文型なのかを考える際のコツをまとめてみましょう。
1. 主語と目的語は、必ず名詞です。
2. 動詞は、必ず動詞です。(あたりまえすぎて、へんな日本語です)
3. 補語は、名詞か形容詞です。
4. 前置詞と、その後ろに来る名詞は、文型を考える際には無視!
5. 今まで言わなかったのですが、「副詞」という言葉も英語にはあります。副詞も、文型を考える際には無視です!
これでおおざっぱに5文型について学ぶことができました。
・最後に
さて、最後に、文型の本当の理解のしかたをいちおう言っておきますね。
文型っていうのは、動詞がもっている意味によって決まるんです。
たとえば、have(もっている)だったら、かならず何をもっているのか言わないと、意味不明ですよね?だから、「もっている」という動作の対象を表す言葉、つまり目的語を、1つ書く必要があるわけです。
また、giveだったら、あげるからには、「誰に」「何を」あげるのか言わないと、意味不明じゃないですか。なので、giveの場合には、あげるという動作の対象を表す言葉、つまり目的語が、2つ必要になったりするのです。
さらに、call(呼ぶ、電話する)ですが、これは、2つの可能性があります。単に、彼を呼ぶ、彼に電話する、というだけだったら、I call him.(私は彼を呼ぶ、彼に電話する)と書いて、第3文型の文にすることができます。
しかし、「彼をトムと呼ぶ」のように、人の呼び方のことを言いたいときには、彼の名前が何なのかを表す言葉(つまりTomですよね)をつけないと、意味不明になってしまいます。なので、この場合には、I call him Tom. というように、第5文型の文になります。
つまり、callは第3文型または第5文型になる可能性があるわけです。
このように、動詞によって、第何文型になれるのかは、もともと決まっていたりするのです。高校になってたくさんいろいろな文に触れていく中で、この動詞はこの文型とこの文型になれるな、とか、だんだんと慣れて、わかっていけるようになります。
一気に覚えようとかあせることはないです。日々ちょっとずつ勉強して、ちょっとずつ知識を増やすことは大事ですけどね!