高校英作文の急所:仮定法
- 現在の事実に反する仮定を述べるとき(それを文法用語では「仮定法過去」と呼びます)には、If 節の中では過去形を、If 節の外(つまり主節)では、would, could, should, might のどれかを使うのが基本です。(あまりshould は使いません。might はwouldより確率が低いニュアンスになります):If I had money, I could buy the new computer. (もしお金があれば、私はその新しいコンピューターが買えるのに)
- 過去の事実に反する仮定を述べるとき(それを文法用語では「仮定法過去完了」と呼びます)には、If 節の中で過去完了形を、If 節の外(つまり主節)でwould, could, should, mightのどれかを使い、かつそのすぐ後に「have+過去分詞」を使うのが基本です。(やはりあまりshould は使いません):If I had had more money, I would have bought the car. (もっとお金を持っていたなら、私はその車を買ったのだがなあ)
- 仮定法の文においては、be動詞を過去形にするときは、was ではなくwere にする、というのが、少なくとも受験英文法においては長く定説とされてきました。しかし、実際にはwas を使うネイティブスピーカーはふつうにたくさんいるため、最近ではwas でも問題がない、という教え方も多くされるようになってきています。
- If を使う仮定法意外にも、いろいろな仮定法の文がありえます。I wish... で始めることで、これも仮定法の文にできます:I wish I had more money now. (今、もっとお金を持っていたならなあ) / I wish I had had more money then. (そのとき、もっとお金をもっていたならなあ)
- as if =「まるで〜のようだ」を使う文も仮定法となります:He treats me as if I were a little baby. (彼は、私がまるでちいさな赤ん坊であるかのように、私を扱う)
- as if を使った仮定法の文では、文の動詞の時制と、as if の後ろに来る動詞の時制との関係で、訳し方に4つのパターンが生まれます:
- He treats me as if I were a little baby.(彼は、私がまるでちいさな赤ん坊であるかのように、私を扱う)
- He treats me as if I had been a huge baby. (彼は、私がまるで巨大な赤ん坊であったかのように、私を扱う)
- He treated me as if I were a littele baby. (彼は、私がまるでちいさな赤ん坊であるかのように、私を扱った)
- He treated me as if I had been a huge baby. (彼は、私がまるで巨大な赤ん坊であったかのように、私を扱った)
-
- If 節の中は過去完了形が使われているけれども、If 節の外(主節)では、would, could, should, might が使われているだけで、「have+過去分詞」 が使われない場合もあります:If he hadn't saved me then, I wouldn't be alive now. (もし彼がそのとき私を救っていなかったのなら、私は今生きてはいないだろう)
- to不定詞の副詞的用法が、if の代わりを果たすことがあります:To hear him speak English, you would take him for an Australian. (彼が英語を話すのを聞いたら、彼をオーストラリア人だと勘違いするだろう)
- 主語に仮定の意味が含まれるため、if がいらない場合があります:A wise person wouldn't make such a silly mistake. (賢明な人であれば、そのようなおろかな過ちはしないであろう)
- 前置詞句(副詞句)に仮定の意味がこめられているために、ifがいらない場合があります:
- Without water, no human being would be able to live. (水がなかったなら、活きることが出来る人間はいないであろう)
- In England, people woudn't behave like that. (イギリスであれば、人々はそのようには振舞わないであろう)
- 倒置をさせることによって、if を使った仮定法の文と同じ意味の文を、if を使わないでも作ることができます:
- If I were you, I wouldn't do that. =Were I you, I wouldn't do that.
- If I had known the truth, I would have told you. =Had I known the truth, I would have told you.
- 文頭(または文頭に相当する位置)で使われるotherwiseは、「もしそうでなかったら」という仮定法をみちびきます:He left home at six; otherwise, he would have missed the show. (彼は6時に家を出た。さもなくば、彼はそのショーを見そこなっていたであろう)
- 主語に仮定の意味がこめられていて、かつ最上級になっている場合には、「〜なら」という意味だけでなく、「〜であっても」という、even があるかのような意味になることがあります:The richest man couldn't buy that. (どんなに金持ちの人であっても、それを買うことはできないだろう)
-
Copyright (C) Koichi Ushioda, All Rights Reserved. |