高校英文法:「一緒に」と言うにもいちいち細かい英語
今年(2006年)の慶應看護の正誤問題に以下のような
文が出ていました。(まちがいをひとつ含んでいます。)
Paul wanted me to go shopping together, but I was busy last Saturday and couldn't.
正解を言いますと、together の部分がまちがいなのです。
together は「一緒に」という意味です。
とても基本的な英単語ですよね?
じゃあ何がまちがってるの?
「ポールは私に買い物に一緒に
行って欲しかった」
という意味になってて、OKじゃない?
と思う方もいるでしょう。
そこはおちついて文法的に考えてみましょう。
このtogether という英単語ですが、副詞ですので、
go という動詞を修飾しています。
ではこのgo together という動作ですが、
いったい「だれ」がするのか?
私(me)ではないでしょうか?
want という動詞は、
「want 人 to do」=「(人)に〜してほしい」
というパターンでよく使いますよね?
だから、go together するのは私(me)です。
しかし、私という人間は一人なので、
一人で「一緒に行く」という動作はできません!
だからtogetehr じゃダメなんです。
これが、with him だったら、正しい文だったんです。
Paul wanted me to go shopping with him.
だったら、OKなんです。
このように、togeter (一緒に)なにかをするためには、
基本的に主語が複数いないとダメです。
一緒ということは、二人以上の人がある動作をする、
ということなのですから。
なので、こういう言い方ならありえます。
Paul and I didn't go shopping together.
(ポールと私は一緒に買い物に行かなかった)
この文は、主語は「Paulと私」の2人なので、
together を使ってだいじょうぶです。
こういう問題は、文法を重視せず、自分の
フィーリングで解いている人にとって、
きわめて対処しにくい問題となります。
受験英語は、けっこう注意深さ・思考力を
きたえる題材にもなるんだと思います。
潮田耕一
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